広済寺
第十七話に登場した「しわぶきばば」は川越市の喜多町にある広済寺(こうさいじ)にある咳地蔵尊をモデルにしています。
広済寺は室町時代の天文17年(1548)後北条氏の川越城代になった大道寺駿河守政繁が建立しました。現在の本堂は享保の火事で焼けてから1731年に再興。300年弱の歴史あるお寺です。
咳地蔵尊は「しゃぶきばばあ」「おしわぶきさま」「しわぶきばばさま」などと呼ばれています。この「しわぶき」(しゃぶきは訛った言い方)とは古い言葉で「咳」のことです。しわぶきばばは咳や呼吸器病が治るご利益があると伝えられています。
・・・ある夜喜多町に住んでいた浪人が家に帰ると石仏が置かれていましたので、お寺に納めました。その石仏に長年風邪を煩っていた棉屋の娘が願掛けの証拠と して荒縄を巻いて100日の間日参したところすっかり良くなりました。それが評判となり百日咳や風邪で苦しむ人が同じように荒縄を巻くようになった・・・という伝承があります。
なので今でも風邪をひいたら縄を巻き、治ったら縄を解いてあげお礼としてお茶やコンペイ糖、または煎豆をお供えしてお参りするそうです。
またこの広済寺には、虫歯の人がお参りする下アゴのない無腮地蔵尊(あごなしじぞうさま)や天狗が棲んでいると言われる杉の老木、牢屋地蔵など様々な伝承があるお寺です。
広済寺
住所:川越市喜多町5-1
TEL:049-222-0105
拝観 境内自由
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